私がマラソンを始めた平成初期はまだマラソン大会の数が少なく、制限時間も厳しめだったため、フルマラソンを走る人は今のように多くはありませんでした。
それだけに、ランナー同士のつながりが濃くて、人と交わることが苦手な私にもベテランのランナーさんたちが声をかけてくれました。
その中に、当時フルマラソン完走回数1000回を目指す小島義一さんがいました。
小島さんとは、九州のマラソン大会でお会いし、寝食を共にしました。
なにがあってもあきらめずにゴールを目指す姿勢を小島さんから学びました。
私は約30年ランニングを続ける中で、年間走行距離が250km程度までに落ちてウルトラマラソンに出場して30kmでリタイアするような時期や5年間大会出場ができない時期もありましたが、そのたびに復活できたのは小島さんのようなひたすら走り続ける方の背中を見てきたからだと思います。
今ではフルマラソンの完走回数が1000回を超える人も珍しくなくなってきましたが、日本で初めて1000回を超えたのが小島さんでした。
ある時から、小島さんと連絡が取れなくなり心配していたのですが、その後、お亡くなりになったことを知りました。
レース後に転倒して、打ち所が悪くてそのまま入院、その後還らぬ人となったと聞きました。
まだまだ完走回数を伸ばせたでしょうから、悔しかったのかもしれないし、やりたいことを十分にやったから満足しているのかもしれないし、それは何十年後かにあの世でお会いしたら聞いてみたいと思います。
人生、いつ何が起こるかわかりません。
やりたいことをやり切って、十分に楽しんで、悔いのないよう、とことん挑戦したいと思います。
今はネットでランニングに関する情報や走り方なども知ることができますが、昔は大会に参加した時に周りのランナーから教えてもらうことが情報源の9割くらいを占めていたように思います。
人のつながりって素晴らしいですね。